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2014年12月23日火曜日

予選迷路タイムアタック

先週の中部地区忘年会前の試走会では全日本予選迷路でタイムアタックを行った.
こちらの議論の件もあるので,動画とともにパラメータも公開する.


全日本大会第5走パラメータ.某吸引マウスにBusterされますね.
地区大会ではもっと早い段階で使用しますが32×32ではまだこれくらいが限界みたいです.
Top Speed:3.8m/s Acc: 10m/ss(normal)
Top Speed:2.8m/s Acc: 7m/ss(diag)
45turn:0.9m/s 90turn:0.93m/s 135turn:0.75m/s 180turn:0.78m/s V90turn:0.72m/s



全日本大会第4走パラメータ.タイムは悪くない.32×32では完走しなかった.多分135,180度ターンを無駄に攻めたせい.
Top Speed:3.8m/s Acc: 10m/ss(normal)
Top Speed:2.8m/s Acc: 8m/ss(diag)
45turn:0.95m/s 90turn:0.98m/s 135turn:0.81m/s 180turn:0.81m/s V90turn:0.77m/s


オマケ:地区大会専用Maxパラメータ



その他気付いたこととして,バッテリが減ってくると
①ターンが不安定になる
②タイムが2%ほど落ちる(①により直線でふらつく影響?フィードフォーワード項が実質弱くなるせい?)
ということがわかった.

バッテリの残量に対する補正を少し見直したほうがいいかもしれませんね.

2014年12月14日日曜日

中部地区試走会&忘年会

に参加.全日本大会以来マウスに触れていないため,試走会では調整を放棄してひたすらマシンを走りこんで走行パラメータ変更によるタイムへの影響を確認した.

詳細はまた後日.疲れたので.

忘年会では様々な話題で盛り上がりましたが,技術の話はもちろん,就活に関係していろいろ話が聞けたので良かったと思っています.

2014年11月24日月曜日

全日本大会2日目

ハーフサイズエキスパートクラス決勝に出場.
結果は準優勝.大先輩の本気を思い知らされた感じでした.
それでも全日本2年連続4位から脱して表彰台入りできましたし,素直にうれしく思っています.


今回は「明らかに最短と考えられるルートの1つで走行しタイムを出す」という目標を初めて達成できました.
ちなみに,2010~2013年大会までの4年間,ハーフサイズの32×32でこれができたのは各大会の優勝者だけです.(それより前は知りません)

今年もそうなると思っていたら,最短ルート走行を達成して9秒台に多くの人が集まるデッドヒートになって正直ビビってます.
迷路との相性もあるでしょうが,確実に技術が蓄積されていってる感じで強敵が次々出てきてますね.

しかし,あの大会で8秒台出して頭一つ抜けるというのは,,,
まだまだ私は詰めが甘いですね.特にソフトが.
さて,また来年に向けてスタート.ハードをマイナーチェンジしたいけど当分はソフトウェアの改良に注力します.


私一人だけ南回りの変なルート走ったけど,アレ本当に最短ルートだったのかな?
今年2回目のルート生成ソフト見直しすべき?
直線最高速攻めるとあのルートになると思うけど.

2014年11月22日土曜日

全日本大会1日目

に参加.といっても私はシード権があるため出走せず.皆さんのマウスの偵察と調整.

今年は大会に行くたびに直進の問題が見つかる.今回はなぜか壁切れのせいで1区画ずれるトラブル多発.これでは明日の決勝が厳しい.
迷路の路面との相性はおおむね問題なさそうなのが救い.

今年は中部地区で中途半端に活躍したせいで例年より周りの期待が大きい気がするが,相手が大先輩,舞台が32×32迷路なので自信は全くない.勝負に負ける以前に自滅しなければいいなくらいの感じで.



P.S.
去年はこんな感じの楽しいホテルで,今年も何かありそうな安いホテルに泊まったものの面白いこと何もありません.風●街のど真ん中にあるくらいで.

2014年11月15日土曜日

斜め走行にバグあり

全日本大会まで1週間を切ったが,本日活動再開.
中部以来1カ月ぶりにマウスに触る.

どうも斜め走行の部分にバグがあったらしい.斜めでない直線のmax加速度が突っ込まれている.
斜め走行の調整に苦労したのはそのせいか.まさか斜めでそんな加速度出すつもりではなかったのに.
その他はおおむね順調.というより中部の時よりパラメータ下げて安定化させた気になっただけ.

こんな調子なので攻めすぎてボロが出ないようにしたい.

2014年10月29日水曜日

ハーフマウス製作プロジェクト

なるページが存在するようですのでご紹介.

http://halfmousepj.wiki.fc2.com/

ユニバーサル基板で作成可能,部品代1万5千と安価,STM搭載というすばらしいハーフマウスが作成できるようです.

これからハーフマウスを作成する人にはかなり役立つと思います.

2014年10月27日月曜日

中部地区大会レポート&動画

機械研的中部地区大会レポートを後輩が書いてくれましたのでご紹介.

http://kikaiken.blogspot.jp/2014/10/2014.html

私の動画を見ると序盤の斜めでないストレートが遅い.事前にヒヨってパラメータを下げたためだが,何とかしないとなあ.

2014年10月26日日曜日

中部地区大会

に参加してきました.早いものでこの大会に参加するのは5回目(トレース1回,ハーフ4回)です.

競技結果は,,,何とハーフサイズ優勝&シード権獲得.前日まで研究室行ったりしていて今年は何かと時間が厳しいですが,どうにか成果を上げることができました.また,今回の迷路パターンはターンが多かったため,ターン重視で調整している私のマシンに適していたのも大きいと思います.





さて,優勝できたのはいいんですが,これのせいで私の大先輩を本気にさせてしまったわけで,全日本までこれから1か月震えながら過ごさないといけませんよね.

2014年9月22日月曜日

関西地区大会

関西地区大会に参加してきました.

スタッフの皆様,競技に参加された皆様,お疲れ様でした.

私は半分運営スタッフ,半分競技者な感じでしたね.

今回の大会は立命館大学で開催され,ロボトレース競技が追加されましたが,私はロボトレース競技の担当をしておりました.
至らぬところはあったとは思いますが,皆様のご協力のおかげで大きな問題もなく終わることができたと思っています.

競技のほうはハーフマウスで準優勝こそしたものの2次走行で走った経路が悪く不完全燃焼.
あとで確認しましたが,私のソフトで計算しても明らかに優勝マウスと同じ経路を選択します.
とすると原因は壁の読み間違いか何か.
う~ん,なんか探索時に非効率過ぎるルートで走り回ってたりしたのでその辺も含めて要修正ですね.

ちなみに競技結果はこちら.なんと競技の当日に公開していただきました.
ふと気付きましたが,今回の大会は全日本で活躍する選手が多く参加するレベルの高い大会なのに全競技で学生が’準優勝’しています.
長年蓄積されてきた技術が学生レベルの競技者にも浸透している証かもしれませんね.
これくらい情報がオープンなのがマイクロマウスの良いところかもしれません.

2014年9月10日水曜日

中部地区初級者大会

皆様,お久しぶりです.
参加してから数日経ってしまいますが,中部地区初級者大会のハーフサイズ競技に参加してきました.
といっても私は初級者扱いされないようですが

運営,参加された皆様,お疲れ様でした.

探索は数日前から全然ダメで,本番でも壁読み違えたりしていました.
前は安定していた気がするので何か修正すれば動くハズですが...

最短走行は探索で壁読み間違えてもとりあえず目測の最短ルートを走行.
用意したmaxパラメータまで走ってました.
自分の動画を撮るのを忘れてましたが参加された方のブログにアップされているようです.

バグが何個か見つかったり,斜めが思ったより速く走れることがわかったりで収穫の多い大会でした.
次はホームの関西地区大会です.さすがに探索は修正して臨みたいところです.

2014年5月3日土曜日

今年の新作「Sapphire」(サファイア)

今回は今シーズン用のハード「Sapphire」を紹介します。
基本的に去年のハードよりも軽量にしただけで、特に大きな変更はないです。

(実は4月頭には完成していたのですが、ブログ更新を後回しにしてる間にゴールデンウィークになってしまいました、、、)


まずは重量。11.4g程です。設計段階では12gを切れると良いな、くらいでしたが、予想以上に軽くなりました。
基板は0.6mmを選択しましたが、0.4mmにしていればこじまうす9より軽くできたかもしれませんね。


ちなみに今年はシャーシ基板の色を緑から青に変えました。見た目が前回作とあまり変わらないので、見間違えないようにするためだったりします。
そこからマシン名前を青色が連想されるようなものにしようと思ったわけです。



一応少しは調整もしていて、それなりに走れることを確認しています。




2014年4月11日金曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法 FAQ3:計測速度が振動的になるのはなぜか?

タイトルの内容に関してしばらく書いてきましたが、今回で最後です。がその前に、、、




今年のマイクロマウス関西地区大会の日程が9月14日から9月21日に変更になりました。
詳細はコチラ
また、今年から開催場所が変更されています。ご注意下さい。
例年と開催時期、場所が異なりますが、たくさんの方に御参加いただければと思っております。




さて、本題に戻りますが、今回は1番根本的な所であるエンコーダの計測速度はなぜ振動的になるのかについて現在考えていることを書きます。

はじめにエンコーダで1 msごとに計測した速度を示しました。下に再掲します。


これがそもそも振動していなければこれまで紹介してきた面倒な方法は取らなくてもよいわけです。
振動の原因というと、エンコーダの分解能の問題を考える方が多いと思いますが、私の場合はそれだけとは考えられません。私のマシンの場合1 msごとに計測しても分解能は約0.05 m/sで、計測された振動の振幅よりはるかに小さいからです。

上で再掲したデータに関して、そのままではどういう振動をしているのかよくわかりませんが、下に示したように10 ms程度時間平均をとると、かなり周期的な振動であることがわかります。


この1周期の間にすすむ距離(上図の斜線部の面積)を計算すると、おおよそ私のマウスの車輪の円周に等しくなりました。このことから、振動の主要な原因はタイヤの周回に伴うものであることがわかります。

そこで、今考えているのは次の2つです。
・エンコーダの分解能が軸の1回転360°を等分割できていない。
・ホイールが偏心しており、車輪の回転速度は一定でない

どちらもハードの問題で、検証できていません。ホイールの精度をこれ以上よくするのも、エンコーダをもっと精度良いもの(例えばMES-6-500)に変更するのも簡単ではないので。

2014年4月7日月曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法 FAQ2:加速度センサは複数必要か?

前々回、マウスに加速度センサが2個搭載されていて、加速度は2つの出力の平均をとっていると書きましたが、今回は加速度センサが複数必要かどうかについて書きます。
結論から言うと、配置する場所次第では1個でも問題ありません。
ジャイロの場合は配置場所が自由でしたが、加速度センサの場合は個数と配置する場所をセットで考慮する必要があります。

私のマシンを例に説明します。私のマシンには下の写真のように2つの加速度センサを積んでいます。これは、ロボットの回転中心(4輪の接地点の中心)に関して点対称に配置されています。


この点対称な配置はマシンに角速度が生じているときに効果を発揮します。というのも、角速度が生じているときには加速度センサに遠心力がかかるため、下の写真のような加速度が計測されます。


回転中心に関して点対称に配置していればこの加速度は大きさが同じで逆符号ですから、平均をとることで除去できます。
また、加速度センサをはじめから回転中心に配置すれば遠心力が作用しませんので1つでも問題ありません。

変則4輪機構の場合、回転中心にモータがあるため、加速度センサを配置するのは困難と考えられます。そのためこのような2個点対称の配置となりました。
ちなみにですが、加速度センサを2個搭載する場合、回転中心に対して点対称に配置しなければそれぞれのセンサに働く遠心力の大きさまたは方向が異なります。そのため、平均をとっても打ち消せません。

以上のように、加速度センサは個数と配置する場所をセットで考慮する必要があります。変則4輪機構の場合は1個で済ませるのが困難であるため、複数必要です。

2014年4月3日木曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法 FAQ1:④で提案した手法に加速度センサは必要か?

今回からはこれまで紹介してきた内容に関して想定される疑問点について述べようと思います。
はじめは加速度センサは必要かどうかについて。

前回加速度センサで計測した加速度を速度の計測に使いましたが、加速度はエンコーダでも求められるはずです。エンコーダで計測されたv-tグラフにおいて、速度の勾配が加速度にあたるからです。

結論から言うと、エンコーダでも加速度は計測できます。が、加速度センサを用いたほうがより振動が少ないデータを得られるので必要です。

実際にエンコーダで測定した速度から最小2乗法で傾き(加速度)を求め、加速度センサで得られた値と比較しました。以下は30(青線)、50 ms(赤線)間にエンコーダで測定された速度の勾配を最小2乗法で求めた場合の加速度と、30 ms間移動平均をとった加速度センサの出力(緑線)です。


緑線で示した加速度センサの出力がもっとも振動が少ないことがわかります。このことから、加速度を計測する場合、エンコーダよりも加速度センサのほうが適していることがわかります。
このため、加速度センサは必要であると考えています。

2014年3月26日水曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法④:加速度センサによる問題解決へのアプローチ

今回は④:加速度センサによる問題解決へのアプローチ について書きます。

前回、移動平均をとることで測定される速度と実際の速度の間に遅延が生じることを紹介しました。今回は加速度センサを用いてこの遅延を解消する方法を紹介します。

前回の例を再び出しますが、初速0、加速度を10 m/s^2とすると、10 ms間に速度は0.1m/sになりますが、10 ms間の時間平均で計測される速度は0.05 m/sで、実際の速度の半分になります。この半分のズレを、加速度センサで計測した加速度で補います。今回用いたのはこのような式です。

(計測速度) = (エンコーダ計測速度 [時間平均あり] )
         + (加速度センサ計測加速度 [時間平均あり] )×(平均時間) / 2

先の例で実際に計算すると、10 msの時間平均でエンコーダで得た速度は0.05 m/s、加速度は10 m/s^2、平均時間は10 msなので (計測速度) = 0.05 + 10×0.01 / 2 = 0.1 m/sとなり、現在の速度が得られていることが分かります。

この式を適用するため、実際に加速度センサで加速度を計測しました。私のマウスでは前後2か所に加速度センサを搭載しています。


これが、加速度センサで得た、マウスの進行方向の出力です。1 msごとに計測(AD変換)し、2つのセンサの出力を平均しています。


かなり振動していますが、やはり移動平均をとると平滑化できます。下のグラフは計測された加速度を5、10、20、30、50 msで移動平均をとったものです。







例えば20、30、50 ms移動平均をとった場合に対して、上で上げた式を用いて加速度センサで遅延を補った速度を計算すると下のようになります。


平均時間に関係なく遅延が無くなること、平均時間が長くなるほど平滑化されることがわかります。
このようにして、ロータリエンコーダと加速度センサの計測データを
・時間平均により平滑化し、
・2つを組み合わせて遅延を解消する
ことで、速度を遅延なく平滑化して計測することができます。
もちろん、マイクロマウス競技ではきれいなデータをとることでなく、走行速度を向上させることが重要です。きれいなデータが取れるほど制御が安定させやすく速度を上げやすいとは思いますが。



また、移動平均をとる時間はどのくらいがよいかという疑問あるかと思います。あまり長くとると平滑化作用は大きくなるものの、走行開始後しばらくは速度が不定になります。加えて、保持する過去データが増え、メモリ消費が増えるので好ましくありません。
自分なりに平滑化できていると思う時間の中で最小のものを選ぶ、という感じでしょうか。上の実験結果をうけて私は30 ms移動平均をとることにしました。

マシンごとに事情は異なるでしょうし、私の今回の計測結果もフィードバック制御無しの結果なので、移動平均をとる時間の最適化は非常に難しい問題です。

以上で一連の速度計測法の紹介は終わりです。次回からは紹介した内容に関して想定される疑問点について述べようと思っています。

2014年3月24日月曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法③:移動平均により生じる問題

今回は③:移動平均により生じる問題 について書きます。

前回、移動平均をとることで測定される速度が平滑化されること、平均をとる時間が長いほど平滑化作用が大きいことを紹介しました。今回は移動平均処理を行うことで生じる問題について書きます。

下のグラフは前回紹介した20(赤線)、50(緑線) ms間の移動平均で得られた速度と、目標速度(青線)を1つのグラフにまとめたものです。平均する時間が長いほど、加速時の速度の立ち上がり、減速時の立下りが遅れていることがわかります。要するに波形が右側にシフトしていきます。これが時間平均における問題です。


下の図に示すように、加速中に速度を計測するとき、移動平均で測定した速度と実際の速度にはズレが生じます。例えば、初速0、加速度を10 m/s^2とすると、10 ms間に速度は0.1m/sになりますが、10 ms間の時間平均で計測される速度は0.05 m/sで、実際の速度の半分になります。これは、5 ms前の速度を計測していることになります。測定される速度と実際の速度の間に遅延が生じるということですね。10 ms間移動平均すると遅延は5 msですが、移動平均20 msに増やすと遅延は10 msになり、どんどん遅延が長くなっていきます。


このことから、ロータリエンコーダのみで速度を計測する際、移動平均をとる時間が長くなるほど、計測される速度が平滑化される一方、遅延が長くなることが分かります。
一方、加速度センサをロータリエンコーダと併用すると状況が変わってきます。次回は加速度センサを用いて時間平均により生じる遅延を解消する方法を紹介します。

2014年3月20日木曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法②:移動平均を用いた計測速度の平滑化

今回は②:移動平均を用いた計測速度の平滑化 について書きます。

前回、1 ms間にカウントされた波の数から速度を測定すると振動的になるということを紹介しました。今回は1 msごとに測定した速度データの単純移動平均をとり、振動を抑制する方法を紹介します。

前回紹介した1 msごとに計測した速度データに対し過去の5点(5 ms間)の移動平均をとりました。下にイメージ図を挙げます。





5 msの移動平均の結果をv-tグラフ(下図)の赤線で示します。
1 msごとに計測したデータも青線で示しました。この図から、移動平均で振動の振幅が小さくなっていることが分かります。
さらに10 ms、20 ms 、30 ms、50 msで移動平均をとったときのv-tグラフを示します。平均をとる時間が長くなるにつれて、振動の振幅が小さくなることがわかります。






ただし、平滑化されるからといって、平均をとる時間をいくらでも長くすればよいというわけでもありません。次回は平均をとる時間を長くしたときの問題を紹介します。

2014年3月17日月曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法①:ロータリエンコーダを用いた速度計測

タイトルの内容について前回目次を出しましたが、今回は①:ロータリエンコーダを用いた速度計測 について書きます。

これは、DCモーターで車輪を駆動し、ロータリーエンコーダでその速度を計測するマイクロマウスロボット(いわゆるDCマウス)で使われている方法です。
今回はこれついて簡単に説明し、実際に私のロボットでロータリーエンコーダを用いて計測される速度データを示します。

初めにロータリーエンコーダについての認識を共有しましょう。マイクロマウスに用いられるのは主にインクリメンタル型のエンコーダです。
これは、軸の回転に対し速度に応じた周波数の波を2つ出力します。また、この2つの波は回転方向に応じて位相を変えます。この2つの波の数から回転量と回転方向を測れるというわけです。




軸が1回転する間に出力される波の数を分解能といいます。実際にエンコーダでタイヤの回転を計測し、ロボットが前に進む時の速度を求めるとき、よく以下のような式が用いられます。

(速度) = (タイヤの円周)×(カウントされた波の数/分解能) / (波をカウントした時間)

波をカウントした時間の間に進んだ距離を、時間で割ることで速度が得られます。波をカウントした時間というのは任意に設定できますが、短すぎても長過ぎても問題になります。


実際に私のマウスで計測した例を示します。
私の変則4輪ハーフマウス(下の写真)では、左右の前輪の回転を磁気式インクリメンタルエンコーダ「AS5040」で計測しています。左右2つの計測結果を平均して進行方向の速度としています。


この例ではロボットを直進させた時の速度を計測しました。測定時間(波をカウントした時間)は1  ms、目標速度は下のv-tグラフに示すように加速度:10 m/s^2 、最高速:2 m/sです。1 msというのは自分のマウスの割り込み周期にあたり、全ての計測、制御の単位時間になっています。
今回は計測の実験であるため、計測された速度に対してフィードバック制御は行っていません。


実際の走行の様子を表した動画と、その時に計測された速度のv-tグラフを以下に示します。



v-tグラフから、測定された速度はかなり振動していることが分かります。私のロボットでは測定時間が1 msでは短いようです。


次回は測定時間を長くする(移動平均をとる)ことでこの振動を抑える方法を紹介します。

2014年3月16日日曜日

加速度センサとロータリーエンコーダを組み合わせた速度計測法(目次)

タイトルの通り、エンコーダだけでなく加速度センサを併用した速度の計測方法について書きたいと思っています。今回はそのアウトライン。

この計測方法自体は既に小島さんが公開しておられます。自分が今回用いたのも同じ方法です。
それでもわざわざ公開する理由は以下の3つ。

・実際に調べた結果、加速度センサを併用する方法は「こじまうす」の簡易エンコーダに対してだけでなく、一般に有用な方法と考えられる
Invensenseの加速度&ジャイロセンサのように、1軸アナログ出力ジャイロよりも小型かつ高精度の複合センサが市販され、今後マイクロマウス競技においても普及していくことが予想される
・加速度センサの使用例を測定データを示しながら具体的に紹介することで、その有用性を示し、普及を促したい

そういうことで、小島さんがブログで書かれているよりも詳細に紹介したいと考えています。
次回からはこのような内容について書きたいと考えています。

①:ロータリエンコーダを用いた速度計測
②:移動平均を用いた計測速度の平滑化
③:移動平均により生じる問題
④:加速度センサによる問題解決へのアプローチ
FAQ1:④で提案した手法に加速度センサは必要か?
FAQ2:加速度センサは複数必要か?
FAQ3:計測速度が振動的になるのはなぜか?

2014年3月4日火曜日

MPU6500動作テスト

前回今使っているセンサの最新版の在庫切れ解消を待っているなんて書いてましたが、今回
Invensense社の最新3軸加速度&ジャイロセンサ「MPU6500」の動作確認をしました。
下の写真のように、ブレッドボードを用いてSTMF4マイコンとSPI通信をしています。


通信により、センサで測定された加速度、角速度が得られることを確認できました。

これで部品のテストが全て終わり、今年のマウスの設計が完了しました。
制作は…気が向いたときにやります。今年は関西地区大会(例年7月開催)が9月開催なので急ぐ必要はなさそうですし。

2014年2月21日金曜日

活動再開

1か月ぶりに更新します。それまで卒論とかでバタバタしてたので。

一応今年の大会に向け動き出してます。

昨年度作成したマウスに加速度センサを載せてましたが、全く使ってませんでした。ようやくマウスの速度計測、制御に役立つことが確認できました。明日行われる関西支部の勉強会でネタにしようと思ってます。そのためこんな↓スライド作ってます。ウケが良ければブログでも内容を公開するつもりです。



あとは今使っている3軸加速度&3軸ジャイロセンサシリーズの最新型について、Digikeyの在庫切れがもうすぐ解消されそうなので、変換基板作りながら待ち伏せしてます。




2014年1月13日月曜日

磁気式エンコーダIC 「AS5050」

今回は来年使用予定のエンコーダの話。
昨年までエンコーダは定番IC「AS5040」を用いて自作していました。

今年も自作磁気式エンコーダを使いますが、「AS5050」という素子に変更することにしました。
これはインクリメンタル型でなくアブソリュート型で、SPI通信で角度を取得できます。


AS5040と比較しながら、この素子を使うメリットをあげると
・消費電流が少ない(AS5040に比べ最大でも半分、使い方次第で5分の1以下)
・小型かつ軽量、安価
・インクリメンタル型でないので、波形をカウントするタイマー(消費電力大きい)を使わなくてよい
などがあります。

AS5050はSPI通信を介して、ICが内蔵のホール素子で磁石角度を取得するときのサンプルレートを自分で決めることができます。
サンプルレートを下げていくと、かなり消費電流が下げられることが分かりました。ただし、ナイキスト周波数に気をつける必要があります。
実際にどれくらいかというと、例えば2ms周期でサンプリングすると消費電流は2.5mAほどだそうです。
AS5040の16mAに比べるとかなり違いますね。5分の1以下です。


逆にデメリットをあげると
・サンプルレートを下げるとリアルタイムの速度は取得できない
・アブソリュートエンコーダ、SPI通信などの使用により速度取得に関してソフトが使いまわせない

などがあるでしょうか。どちらもソフトの工夫で対処できるものと考えています。


連休を利用してブレッドボード上でテストをしていました。動作確認ができたので、今回情報を公開しています。なかなかいいものですので、興味のある方はぜひ。

2014年1月9日木曜日

新年

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年は台湾大会(@台北)、学生大会(@早稲田大学)と遠征も増え過去最大の大会出場数となり、おかげさまで充実したシーズンを過ごすことが出来ました。

今年はというと、すでにスケジュール的に無理そうな大会がいくつか、、、 残念。
昨年ほどたくさんの大会には出られなさそうです。


さて、マイクロマウス活動の方ですが、今年もハードを新調するつもりでして、もう設計が終わってたり。




ただ、新作を作るといっても昨年のマウス「Vector」がボロボロだからというだけなので、特に目新しいものは導入せず、「Vector 改」を作るくらいの気持ちでいます。「Vector」は2度もジャイロ張り替えたりしてあちこち補修だらけですし。


ブログとしては引き続き昨年取り組んだこと、新作を作る中で検討していることについて小出しにしていこうと思います。