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2018年12月8日土曜日

Fantom2ndの走行パラメータ

今年の走行速度を公開.第5走時のparameterである。
今年はついに直線 5m/s を出すことができた。フラフラだったけど。


NameSapphireFantomFantom2nd
Year201520162018
Acceleration [m/s2]
(Straight)
13.51617
Acceleration [m/s2]
(Diagonal)
121212
Max. speed [m/s]
(Straight)
445
Max. speed [m/s]
(Diagonal)
3.244
45deg turn [m/s]0.991.181.36
90deg turn [m/s]1.021.301.55
90deg turn [m/s]
(diag. to diag.)
0.781.011.30
135deg turn [m/s]0.81.041.32
180deg turn [m/s]0.811.061.33

Sapphireからの変遷を見ていくと、吸引走行でどういうところが苦しいか勘所がつかめるかもしれない。例えば45度ターンあたりは角加速がつらいので、なかなか伸び悩んでたり。
斜めの走行性能が大して伸びてないのは…調整サボり。
というか侵入速度(ターン速度)が速くなる分、同じ性能に保つのも大変なんですよ
 &
あんまり無理な速度で調整すると基板厚0.4mmの吸引マウスなんてすぐ壊れますよ、と。

2018年12月4日火曜日

全日本優勝

取り急ぎ、更新。

2018年の全日本大会は無事優勝。
去年の全日本で、しょーもないミスで優勝を逃したのを無事奪還できました。
走行時のパラメーターは、またのちほど。

(え?写真の中に、副賞でないものが1個あるって?大会中に委員会の方からもらったものには違いないので、大丈夫でしょ。)

今年の運営は、参加システムが変わったとはいえ1日に走る人の数はむしろ増えていたと思うのですが、予定時間を早回る(?)くらいスムーズでしたので、1競技者として非常に快適に過ごせました。毎年ありがとうございます。

あとは、田代賞を受賞。時代を代表するマウサーに選ばれたということで、大変光栄でございます。
これとあわせて、地味に田代杯も開催から連続の3連覇を達成。
大変うれしいのですが、参加者が殺到するくらい好評でマウスパーティの運営に支障が出そうなので、今後はセルフ殿堂入りしてもよいかもですね。

2018年7月8日日曜日

マイクロマウスキット「Zirconia」

珍しく長文になってしまった。

以下の4つの理由から、今年は全日本決勝用ではないが、マウスを制作した。
1と2は制作に至るきっかけ、、3はそのロボットを完成させるモチベーションで、4はコンセプトである。

1.どうも最近の技術と電子部品を試せていない
(今でも性能面で更新はmustではないが、廃盤やコストダウンの対応を図りたい)
部品単体の試験では、例えばジャイロのドラフトや振動耐性、応答はどうか?という問題がはっきりせず、マウスに載せないとわからないので、作ってみることにした。

2.現在のマウスは四輪プラス吸引で、いろいろごまかしながら走ってしまうため、
調整、変更の良し悪しを判断しづらく、素直な応答の二輪マウスが欲しい。
前にいじったPicoだとスケールとかモーターが違いすぎて何の差が出てるのかはっきりわかりづらい。

3. 2に関係して、ハードばっか複雑になって入門層がますます調整とソフトを軽視しているので、誰でも作れるマウスで成敗するのが老害の義務に感じる(入門層すべてが悪いと思ってないが、こんなマウスでも十分走ります、が提示できていないように思う)

4. 2、3から、二輪という一番シンプルなハードで、かつ過剰な軽量化、低重心化、高価な部品を必要としないことで、ロボトレースに自分でプリント基板を起こして作ったロボットで出場したことがある、またはサークルに所属しハーフサイズ経験者が近くにいるなら作れるレベルのロボットであることをコンセプトとした。


1と4は、ややもすれば対立するわけですが、そもそもキットがあってもハーフマウスはド素人がやるものじゃないので導入障壁(費用と時間と活動スペース)に無理がなければよろしいかと。
どうせもうすぐ某社から完全入門者用(?)のキットも出ることだし。

そんなわけで作ってしまったのが下の写真のマウス。下記の動画の通り、一応迷路を走行できる。

写真
動画


動画だけ見ると走っているようにも見えるが、新しい部品を試したせいで色々痛い目にあっている。
もしかしたら金沢大会の完走は厳しいかも。
次回はいろいろ痛い目にあったアレやコレについて書く…時間を確保せねば

2018年2月4日日曜日

Pico2:進行方向の速度制御による,角速度系への干渉について

作ったはいいものの,いまいち実験,検証内容と手段がなかなか決まらないPicoシリーズの2回目.

今回は,前から何となく気にしている,進行方向の速度制御による,角速度系への干渉について.

 私の場合,速度制御系はこちらなどで紹介されているとおり,進行方向と角度方向に入力を分け,進行方向は2つのモーターへ同符号の入力,角度方向は逆符号の入力で制御している.
 これまでなんとなく思っているのが,(当たり前かもしれないが)2つの入力はそこまで独立しておらず,進行方向の制御は角度方向に干渉しているのではないか?ということ.

 例によってPicoで試走調査.今回はフィードバック入力で進行方向の速度を制御している状態を想定し,左右輪の速度差は一定だが(角速度は一定になるはずだが),左右輪の速度の平均値である進行方向の速度を振動させた入力となるようオープンループで走行させログを見てみる.
 前回と同じく,直線→右180度ターン→直線のコマンドを実行させる.ターン中の進行方向の速度は,今回は 0.5 + 0.05×sin(wt) [m/s]と,目標値に対して±10%の振れがある場合を想定する.

 結果が以下のログ.上が,速度が振動している場合,下は比較のための速度が振動していない場合のログである.左上と右下がそれぞれ左右輪の目標速度,それに比例するステップパルス周波数であり,右上と左下がそれぞれジャイロの角速度と角度を,目標値と共に記したものである.


・進行方向速度:0.5 + 0.05×sin(wt) [m/s] (振動的)のログ

・進行方向速度:0.5 [m/s] (一定)のログ

ものの見事に進行方向の速度の振動が,回転系に伝わっていることがわかる.
程度にもよるんでしょうが,進行方向の速度制御は角速度制御の外乱になると.

あと何個か思いつく限り実験をし,それぞれの影響を定量的に評価できたら,そろそろ自分のハーフマウスの制御も見直しをかけなければ.

2018年1月21日日曜日

Pico

 珍しく長文になってしまった.

 昨年の全日本大会でいただいたPicoを組み立てた.
実は「クラシックマウス」も「ステッパマウス」も作製は初めてである.
はんだ付けや組み立てはマニュアルが詳しいので,特に迷うことなく組み立て完了.


 今回作製した目的として,「スラローム旋回時に車輪が目的速度を完璧に再現できたうえで,マシンの軌道と慣性センサの出力はどのようになるか?」を調べてみたいと考えている.
 というのも,昨年のマウスはグリップ(吸引力),モーター出力をこれでもか,と上げたので,いよいよ制御が律速要因になっているように思い,マシンの挙動やセンサの出力を一度マトモなマシンでちゃんと見極めてみたいという思いがあった次第.

 今のマウスは「4輪」やら「吸引」やら「非線形出力の磁気式エンコーダ」やら「安物DCモーター」という,理屈がわからないものばかりあるため,信用ならないセンサ出力でそれっぽい動きをするしかないのである.

 上記の目的のため,私のPicoはマイコンボードを自作のものに変更しており,仕様として,ジャイロMPU6500を搭載しマイコンも自分のソフトが移植しやすいようRX→STMに変更している.
(ルネサスのマイコンはH8,SH,RX全ていじったことがないのです…)


 そんなこんなで試走までできるようになった.直線→右180度ターン→直線のコマンドの動画とログが以下.ちなみに全センサの出力はフィードバックしておらず,オープンループで制御している.

動画

ログ

 ログについて,左上と右下がそれぞれ左右輪の目標速度,それに比例するステップパルス周波数であり,右上と左下がそれぞれジャイロの角速度と角度を,目標値と共に記したものである.

 角速度の波形より,角「加速度」がプラスから0,マイナスから0になるときは,オーバーシュートが見られる.車輪の速度は全くそうなっていないのに,である.
 自分のマウスだと制御がかかっているため,オーバーシュートが起こっても原因がわからなかったが,制御と関係なく起こることがわかったわけで.

何となくこういう発見をしていきたく,引き続きこのPicoで遊ぶことにする.